ゴマ
【名称】セサミ
【学名】Sesamum indicum
【和名】ゴマ
ゴマは、アフリカのサバンナを原産とする、
ゴマ科ゴマ属の一年生草木です。
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日本でも、古くから親しまれているので、
アジア原産の植物かと思いがちですが、
アフリカがその原産地といわれ、
ナイル川流域では5000年以上前から栽培された記録があるそうです。
日本には、中国を経て渡来したのですが、
縄文時代には、もうゴマがあったとか。
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オープン、セサミ〜!(開け、ゴマ!)
『アリババと40人の盗賊』で有名なこの呪文は、
ゴマの種子が成熟してはじけ飛ぶ様子に由来します。
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最近では、ゴマパワーなどといって、
セサミンというゴマの成分がクローズアップされ、
その効用が見直されています。
セサミンの大きな効果は「抗酸化作用」。
つまり、若返りが期待できるということですね。
どんどん摂りたい食品のひとつです。
(最近ではアレルギーの方も増えているそうで、そちらは心配ですが)
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ゴマは、種子を食することがほとんどですが、
固い皮に包まれているため、
そのままでは栄養を摂ることができません。
種子は、動物の体内では消化できないのです。
(丸飲みしたら、そのまま出てきます)
ではどうするかというと、
そのままなら「よく噛んで食べましょう」ですが、
調理の場合、皮の中身を出してやらないとなりません。
切る→潰す→擦る、の順に、栄養をより摂りやすくなります。
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ゴマ油に含まれている不飽和脂肪酸(リノール酸、オレイン酸)は、
悪玉コレステロールの発生を抑制する働きがあります。
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ゴマは、色によって黒ゴマ、白ゴマ、金ゴマに分けられます。
黒ゴマは日本、金ゴマはトルコで多く流通していますが、
他の国では白ゴマがほとんどだそう。
栄養的にはあまり違いはないといわれますが、
黒ゴマの皮の色は、ポリフェノールを多く含んでいるそうです。
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以前訪れたエジプトでは、食事の際、
必ず前菜に「タヒーナ」というゴマのペーストが出てきました。
これを「エイシ」と呼ばれるナンのようなパンにつけていただく、
というのがよくある食べ方だそう。
ほかには、野菜につけたりもするようです。
先ほど書いたように、アジアが主流のものだと思っていたので、
エジプトでゴマがこんなに生活に根付いているのかと驚いた記憶があります。
暑い地方なので、ゴマパワーが昔からずっと大切にされてきたのですね。
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日本でも、ゴマ油はもちろん、
ゴマ塩、七味唐辛子、ふりかけといったものにつかったり、
おせんべいやお団子などの和菓子に加えたり、
ゴマ味噌、ゴマだれ、ゴマドレッシングにしたり、
ゴマ和え、ゴマよごし、などの料理につかうなど、
実にさまざまなメニューに登場しています。
そうそう、ゴマ豆腐もありますね。
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ゴマは「胡麻」と書きます。
ゴマの実は麻の実に似ているそうです。
かつて中国の西域を「胡」と呼んでいましたが、ゴマは「胡」から入ってきました。
つまり、「胡」から持ち帰った麻の実に似たもの、ということで、
「胡麻」と称されるようになったそう。
同じように「胡」がつく植物には、
「胡瓜(きゅうり)」「胡椒(こしょう)」「胡桃(くるみ)」
などがあります。